結之介の中国語講座 中国語基本表現・語法

動作の回数時間を補足説明する 数量補語

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解説内容: 数量補語 ・基本文型 ・時量補語と“了” ・時間経過の時量補語
数量補語
補語から解説しましょう。
補語とは、動詞や形容詞の後ろに置かれて動作・行為の状況や性質、状態を表します。
補語には、結果補語、方向補語、様態補語、可能補語、数量補語、程度補語があります。


数量補語とは、何でしょう。
数量補語とは、動詞の後ろに置かれ動作・行為の回数または継続時間を表す数量詞をいいます。
結果補語に使われる数量詞は動量詞と時量詞で、そのまま動量補語、時量補語と呼ばれます。
書籍によっては、動詞の後ろに置かれる数量詞ということで比較文の比較結果の差を表す数量詞を差量詞として差量補語と称し
数量補語に加えることもありますが、差量詞は動量詞、時量詞、時量詞にまたがり、かつ比較文専用なので、この講座では除外し
時量補語、動量補語の2本立てにしたいと思います。

数量補語の種類
数量補語 動量補語 動作行為の回数を表し動量詞が使われます
時量補語 動作行為の時間・期間を表し時量詞が使われます

基本文型
数量補語がある場合、目的語はない場合とある場合、動量補語か時量補語かで文型(数量補語が置かれる位置)が違います。
これから文型を確認しますが、ある程度段階的に中国語を学習していれば自然と身に着く内容です。


語がない場合、動量補語と時量補語は文中での位置は同じになります。
目的語がない場合の動量補語と時量補語
動量補語: 主語+動詞+動量補語。
時量補語: 主語+動詞+時量補語。

単語を入れて確認しましょう。
数量補語
这部电影我看过两次。 Zhèi bù diànyǐng wǒ kànguo liǎng cì. この映画を私は2度見たことがあります。
時量補語
去天津要两个小时。 Qù Tiānjīn yào liǎng ge xiǎoshí. 天津に行くには2時間かかります。
我们等了半个小时。 Wǒmen děngle bàn ge xiǎoshí. 私たちは30分待ちました。



目的語があると動量補語と時量補語で語順が変わります。また動量補語の場合、目的語によって文型(動量補語が置かれる位置)が違います。


動量補語の場合、目的語が (普通の)名詞の場合
代詞(代名詞)の場合
人名・地名などの固有名詞の場合 によって文型(動量補語が置かれる位置)が違います。
目的語がある場合の動量補語
目的語が 普通名詞 主語+ 動詞+ 動量補語+ 目的語
目的語が 代詞 主語+ 動詞+ 目的語+ 動量補語。
目的語が 固有名詞 主語+ 動詞+ 動量補語+ 目的語。
主語+ 動詞+ 目的語+ 動量補語。

単語を入れて確認しましょう。
目的語が普通名詞
我坐过两次长途汽车。 Wǒ zuòguo liǎng cì chángtú qìchē. 私は2回長距離バスに乗ったことがあります。
目的語が代詞
我在哪儿见过他回一次。 Wǒ zài nǎr jiànguo tā huí yī cì. 私はどこかで1度どこかで会ったことがあります。
目的語が固有名詞
我去过一次菲律宾。 Wǒ qùguo yī cì Fēilǜbīn. 私は1度フィリッピンに行ったことがあります。
我去过菲律宾一次。 Wǒ qùguo Fēilǜbīn yī cì. 私は1度フィリッピンに行ったことがあります。



時量補語の場合は条件なく文型は2パターンです。
目的語がある場合の時量補語
主語+ 動詞+ 動量補語+ 目的語。
主語+ 動詞+ 目的語+ 動詞+ 動量補語。

単語を入れて確認しましょう。
我学了两年汉语。 Wǒ xuéle liǎng nián Hànyǔ. 私は2年間中国語を学習しました。
我学汉语学了两年。 Wǒ xué Hànyǔ xuéle liǎng nián. 私は2年間中国語を学習しました。


動詞が繰り返される理由に関しては明確な文献を見た語とはありませんが、中国語の時間の継続・持続と関係するように思います。
時量補語は動が継続・持続した時間も量なので動詞の直後に置く必要があると小生は個人的に解釈しています。


時量補語と“了”
時量補語と“了”の関係を確認しておきましょう。
“了”には時態助詞“了”と語気助詞“了”の二つがありました、この2つ“了”と時量補語がある場合の文型は下のようになります。
時量補語と時態助詞“了”と語気助詞“了”
基本形は  主語+動詞+  “了”+ 数量補語  
目的語が入ると動詞が繰り返されます。  主語+動詞+  “了”+ 目的語 +動詞+数量補語
語気助詞“了”が加わると意味が変わります。  主語+動詞+  “了”+ 目的語 +動詞+数量補語 +“了”
時態助詞“了”を省略すると語気助詞“了”の意味が残ります。  主語+動詞+   目的語 +動詞+数量補語 +“了”
目的語を文末に置くと動詞が一つになり文がすっきりします。  主語+動詞+  “了”+ 数量補語 +目的語
 主語+動詞+  “了”+ 数量補語 +目的語 +“了”
 主語+動詞+ 数量補語 +目的語 +“了”

   

単語を入れて確認すると下のようになります。
1. 我学了两年。 Wǒ xuéle liǎng nián. 私は2年学んだ。
2. 我学了汉语学两年。 Wǒ xuéle hànyǔ xué liǎng nián. 私は中国語を2年学んだ。
3. 我学了汉语学两年了。 Wǒ xuéle hànyǔ xué liǎng nián le. 私は中国語を学んで2年になる。
4. 我学汉语学两年了。 Wǒ xué hànyǔ xué liǎng nián le. 私は中国語を学んで2年になる。
6. 我学了两年汉语。 Wǒ xuéle liǎng nián hànyǔ. 私は中国語を2年学んだ。
7. 我学了两年汉语了。 Wǒ xuéle liǎng nián hànyǔle. 私は中国語を学んで2年になる。
8. 我学两年汉语了。 Wǒ xué liǎng nián hànyǔle. 私は中国語を学んで2年になる。

2と6、3と7、4と8はそれぞれ目的語の位置が違うだけで意味は同じです。
2と6は「任意の2年間」で 現在学んでいるかどうかは不明です。
3と7は「期間の2年間」で 限定された何かを学んで2年間経過したことになります。
例えば、、期間が2年と限定されている講座を修了した時。ですが実際は限りなく4と8の意味に近くなります。
4と8は「変化の2年間」で 学んで2年間が経過したとなり、通常これからも継続される意思が含意されます。
ちなみに2と6の表現は時態助詞“过”を使って“我学过两年。”と表現されるのが普通です。

時間経過の時量補語
時量補語が置かれた文の動詞が瞬時に実現する動作を表す場合、時量補語は動詞が表す動作が発生してからの経過した時間を表します。
王力走了三年了。 Wáng Lì zǒule sān nián le. 王力が行ってから3年になります。
我来北京一年了。 Wǒ lái běijīng yī nián le. 私は北京に来て1年になります。
他离开家十年了。 Tā líkāi jiā shí nián le. 彼は家を出て10年になります。

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